読書とプログラミングを中心とした覚書ブログ

読書とプログラミングについて、日々経験したことを忘れないようにするため、極力ブログに記録を残すように頑張る。

蓬莱 [今野敏]

 公開日   

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ここ最近全くといっていいほど読書をしてないことに気がついてしまいました。
読書というか、印刷された活字に触れ合う機会がないような気もします。

そういう意味で10ヶ月ぶりに小説を読んでみました。

ネットから読みたい小説を検索

とりあえず読書をしたいと思ったとき、読みたい本が見つからず苦労します。
これまではSF小説を取り扱うSFマガジンなる雑誌に紹介されていた作品を選ぶことで、期待してもよい作品を目指していました。
今回はすらすらと読み進めたかったので期待したい作品である必要はなく、そこそこ人気さえあればよくて、あとは自分が読むにあたって興味のあるジャンルがよいと思いました。
そこでネットを検索して巷のうわさを頼りに本書を選定しましたが、そのとき本書に出会うきっかけとなったキーワードがこちらです。

  • プログラマ/プログラム/プログラミング…
  • 殺人

とりあえず殺人が起きるものがよい(笑)ので、普段慣れ親しんだプログラミングの世界で繰り広げられたものがないかという調べ方になります。
この2種類のキーワードを組み合わせて検索してみると、最初にヒットするのは超有名なポートピア連続殺人事件。
ポートピア連続殺人事件はゲームなので違うとしても、結果として方向性は間違ってなかったと思う。

そこで嗜好を変え、キーワードをこのように検索。

  • ゲーム
  • プログラマ/プログラム/プログラミング…
  • 殺人

するとジャンルとしてはかなり答えに近づいた検索結果になった気がします。
この検索結果を順番に追いかけていくと、候補がいくつか見えてきてどれも魅力的な作品がある中、本記事の小説はそこそこ古い作品であったので、古い時代のソフトウェアを扱う小説に興味を引きましたので、こちらを選定することに決定しました。

作品紹介が気になる

殺人事件の起きる作品なのでジャンルはミステリーになるのでしょうか。
スーパーファミコン用のゲームソフトを開発するソフトウェア会社の話なので、それなりの古い作品になるわけですね。
古い作品ということだと扱っているネタもすでに時代錯誤になっている可能性があるのと、スーパーファミコンという古い機種を題材にすることでスケールが小さいことが懸念されます。

ネタが古いといっても、スーパーファミコンの時代も知っているので書かれている内容は理解できるだろうし、別に技術を吸収しようというわけではないので、そういう小説と思えば全く問題はないです。

なんといってもこの小説に興味を持ったポイントは作品紹介です。
ただのスーパーファミコン用ゲームの発売を恐れる者による妨害が起きるということらしいと。
つまりはゲームにとんでもない秘密があるのだと。

これは読むしかない、そう思いました。

そして、読み終わる!

まず言いたい。
5日で読破というのは個人的にはかなりハイペースであった。

300ページぐらいありそこそこ分量があったのですが、このタイプの小説は「先が気になる」というタイプのワクワクがあって、区切りがつけ難い。
そういうわけで、次から次への話の展開についていこうと読み進めたらあっという間に結末まで言ってしまいました。

確かに古い時代を題材にした作品だけあって、扱っている話題は時代錯誤といわざるを得ない部分もいくつかありました。
とはいえ、そういうポイントを理解した上で読んでみるとほかには気になることがなく、特にソフトウェア開発をする会社を取り扱った内容で言えば、今でも通用するリアルな描写がされていたので違和感を感じませんでした。

ふと作者紹介を見ると、特にソフトウェア開発についての経歴は載っていない。
Wikipediaの今野敏さんの記事にも全くといっていいほどソフトウェア開発については書かれてなさそう。
つまりは取材をして独自に研究したということなんだと思います。
個人的に違和感を感じなかったので、もし畑違いのジャンルだとするとものすごく調べられたのではないでしょうか。
使われている用語やその使い方があっているので、関係者かと思ったのですが、小説家ってそこまで知らないことを調べる仕事なんでしょうか・・・。

この小説の内容は多くは語らないのですが、一番スッキリしたのは結末でしょう。
そこにいたるまでにいろいろなことがおきていて、本当にこのまま終われるのかというのが、大体9割ぐらい読んだ段階。
そこから結論までが急展開なんだけど、わずか数ページで語られただけでこの作品の締めくくりが出来ていたので、小説としての段取りがよかったんだと思います。

スーパーファミコンというと、16bitのCPUに128KBのメモリ。
ゲームとしても今で考えるとたいしたことが出来ないんじゃないでしょうか。
これを小説の題材として取り上げてますが、「ゲームに秘密を隠す」というとたかが知れている。
だけどもそういう非力さが、結果として本作品の結末を導くのにうまく作用している

そういう意味では、細かなロジックの描写はあいまいなので100点ではないにしろ、その非力さをもって小説の結論に導いたことが使い方の正しさに繋がるため、ソフトウェア開発を経験されたのかと錯覚してしまったんですね。

というわけで、途中挫折することもなく最後までノンストップで読破となりました。

そういえばこの作品、作中にて警察として登場する安積さんのシリーズとのこと
Kindle版では安積班シリーズとなってます。
蓬莱はこのシリーズの1作目ではなかったけど、前提知識は不要で特に最初から読まなくても問題ではありませんでした。
とはいえこの作者さんは、ものすごく作品の題材を調べていてわかりやすいということもあり、興味があればほかの作品も読んでみたいと思います。
皆さん同じことを考えているので、Amazonの「こんな商品も買っています」のリンクから安積班シリーズをたどることが出来るようになってますね。

 

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