BEATLESS
公開日 更新日 2020/09/16
つい最近SFマガジンという雑誌の存在を知りました。
結構古くからある雑誌らしく驚きですが、おすすめSF小説のランキングが掲載されていたのでこれを参考に本書BEATLESSを読んでみました。
雑誌連載だったためか、オフィシャルサイトがあったりコミック化してたりもしてる模様です。(2020年時点で小説のオフィシャルサイトは無くなってました)
読んでみて振り返り
内容を一言で言えば、コンピュータがものすごく発展した未来世界における、それだけ技術が進歩した世界のAIが、いったいどれ位の思考をするか、人間との友好関係のあり方がどんなものか、というところにこだわってページ数を割いて語っていたようです。
今ではありえないぐらい優秀なAIが、一般生活に入り込むなんて考えられないし、そもそもAI以前に人型ロボットですら未来のまた未来という感じで世界が追いつけていない。
そんな現代人として本書を読んでみて、未来世界のAIの描写がものすごくリアリティがあって確かに数十年とか先ならありえるかもしれない、と思えるような気がしました。
そう思ったのはどうしてなのかと振り返ってみると、一番思い当たる点はものすごいボリュームで表現が細かいという点だと思います。
手にとった瞬間ずっしり感が手に伝わって、色んな意味で重いかもしれないと、そう思ったものです。
総ページ数650で、かつ2段組ということで、大体2ヶ月ぐらいかかり、通勤時間の良い運動になったと思います。
そんな分量なものだから、状況説明とかもものすごく丁寧って言うイメージでした。
備忘録的なメモ
いつも思うのですが読書感想文なんてものは、ネタバレを含んでいる場合がほとんどで個人的にはあまり書きたくなかったりします。
でも、なにか面白さにつながる手がかりが残らないと、将来ブログを見なおした時に、あの時読んだ本がなんだったのかがわからない、という状況に陥ってしまうため覚書の意味を成さなくなってしまう…。
以下は、内容に触れない本書の特徴を示すキーワードをメモ。
少しぐらい内容に触れてあっても問題ない場合はWikipediaの記事がかなり詳しくまとまっています。
- AI
最初に書いたようにAIに関するストーリーですが、このAIの出来が半端なく優れている未来の世界という設定。 - アンドロイド(hIE)
優れたAIというのが、表紙に載っているようなアンドロイドと連携しているという設定。
仕組みはAIを直接搭載するのではなく、通信によってAIをなすコンピュータと接続して振る舞いをダウンロードする方式とのこと。
このアンドロイドというのが一般的には女性形が普及しているってのは作者さんの趣味かもしれませんが、重要な位置づけになってました。
hIEは、「humanoid Interface Elements」の略。 - ロボット3原則に必ずしも従わない
未来もののSF小説には暗黙の了解があると思いますが、その一つに間違いなくロボット3原則があると思いますが、本書はこの3原則に従わない方の世界を描いてます。
やはりAIが優秀なら3原則には従ってほしくないというか、そうなるよねという思いを素直に表現すれば当然なるべくしてなった結論だと納得の内容だと思います。 - BOY MEETS GIRL
背表紙に載っているセンテンス、これが本書の出発を表す表現になってました。
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