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Raspberry Piでゲームコンソールを自作 (6) ケースを加工

 公開日     更新日  2017/08/15

 

今回は以前調査したポイントに従ったケースの加工です。
特にコツや工夫はなかったのですが、世界に一つしかないレシピを独自に編み出さなければならず模索しながら進めないといけないという性格上、長期化しがちでやるべき作業を忘れやすく、やはり記録を残すことは大事なので、記事として順にメモしておこうと思います。

不要なネジ穴を除去

Raspberry Piを設置するために必要な空きスペースを確保するため、ケースにもともとあった邪魔なネジ穴の突起部分を除去します。

蓋部分と底部分の2つのパーツそれぞれに加工が必要となり、まず蓋部分のネジ穴から取り掛かりました。
蓋部分については、カートリッジを挿入するガイド部品を固定する4か所あるネジ穴を取ればよさそうです。
いろいろな方法で取り外し方を研究しながら作業をしてみたところ、その結果、Pカッターや普通のカッターである程度掘り進んでからニッパーで取り除くというやり方が、それなりにきれいな仕上がりになるようでした。
Pカッターというのはこちらの画像にあるように歯の向きが通常のカッターと逆になっていて、手前に引くことで溝を掘り進めるという使い方になります。
Pカッターは、普通のカッターに比べ溝を作りやすかったのでどちらかというとPカッターの方が作業がはかどるようです。

ネジ穴の根っこ部分へ丹念に溝を作っていって、1/3ぐらいになったところで折ると、そこそこきれいに仕上がります。
やはり丁寧な仕上がりを目指すと時間がかかってしまいますが、この作業を大事に楽しむのがケース加工の醍醐味でしょう。
4か所除去したら、最後にやすりをかけるといい感じの仕上がりになりました。

同じような感じで、底部分も完了。
底部分は全部で9か所あるネジ穴のうちの5か所を除去。基板を固定するネジ穴として、もともとあった4か所は使いまわせる配置だったので、作業途中ではなく、こういう仕上がりになってます。
また、次の作業でやる新しいネジ穴を追加するために接着力を上げるため下地をザラザラした状態にしたかったので、全体的にやすりをかけてみました。

足りないネジ穴の確保

Raspberry Piは恒久的に固定するのではなくメンテナンス等で取り外せるようにしておきます。
そのためネジ止めで固定するので、Raspberry Piのネジ止めする箇所に丁度よい位置に来るようにネジ穴を増設します。

ネジ穴を増設するにあたっては、先ほど取り除いたネジ穴の何本かを使って都合の良い高さのネジ穴として再生してあげます。

残しておいたネジ穴を基準にして高さを決定し、同様の高さになるように加工します。

ネジ穴を除去するよりも、増設用のネジ穴の加工がものすごく大変。
というのも、とても小さな部品だけど、加工するには丸くて固定しにくいし、プラスチックなので強い力を加えると簡単に歪んでしまうためだったりします。
最終的に、蓋をすると見えなくなる部品であること、ある程度溝があったほうが接着力が上がる、という2つの理由できれいな仕上がりは犠牲にして、ニッパーでぎゅっと固定しながらPカッターで掘り進め加工しました。

加工したネジ穴は・・・

  1. Raspberry Piにネジで固定してしまってから
  2. その状態で接着剤で底にくっつけ
  3. 完全に乾いてからネジを外す

という手順で丁度よい位置へネジ穴を増設しました。
こうするとネジ穴の切断面が多少ガタガタした仕上がりでも結局平らになるので、さほど問題ではないですね。

プラスチック用の接着剤について

肝心の接着剤ですがいろいろ悩んだ末、安くて強度のある超多用途接着剤を採用しました。
一応3つの選択肢に絞っており、それぞれ比較検討しましたのでポイントをまとめておきます。

超多用途 接着剤 スーパーX2

今回採用した接着剤。
素材に塗ったら瞬間ではなく1日程度時間をおいて完全硬化、硬化したらかなり強度あり。
またプラスチック同士だけでなく、金属や木材など様々な素材とも相性が良い。

電気伝導率についてどこにも明記されてませんが、テスターで測定すると電気を通さないようだったので、ワイヤーの固定に使ってもショートすることはないようです。

グルーガン

専用の接着剤を高温に熱して溶かして素材に塗り、1分ぐらいで冷えたら硬化。
電子工作でよく使われているらしく、最初に参考にしたYoutube動画においてもグルーガンで部品を固定していました。
速攻で固まるというのが最大の利点であり、確かに電子工作のようにワイヤーが多くなってぐちゃぐちゃしがちだと、すぐに固定できるというのは作業が捗ってありがたいですね。

残念ながら機材がそこそこ高い。
100円ショップでも入手できるものの、あまり仕上がりがよくないとか、使いづらさがあるという評判の模様。

プラリペア

プラスチックを専用液で融解および専用パウダーとの結合で硬化。
プラスチック同士だとかなり強度が得られるらしい。

とても魅力的でいつかやってみたいものの、やはり初期投資が高いのが難点。
ネジさえ止められたらよく、蓋をした後は振り回すこともないし固定できればよい程度の強度でよかったので今回は見送り。

スイッチを再生

もともとの位置に、もともとあったスイッチが来るようにネジ穴を微調整しつつ汎用基板にて実装およびネジで固定。

この微調整というのがとてもシビアで、スイッチのカバーの形状と蓋部分との遊びが少ないデザインのため、ぴったりスイッチと穴の位置を合わせないと蓋をしたときにスイッチが歪んで押し込むことができないんですね。
1時間ぐらい格闘していたような気がしますが、何とか納得いく場所を見つけることができました。
ネジを固定しない程度に半締め状態にしてそーっと蓋を合わせて位置を微調整して、またそーっと蓋を外して仮決めした位置でネジを固定するという、設計図がない結構いい加減な加工方法で決着!

USB端子を引き延ばす

Raspberry PiのUSB端子をケース手前のコントローラ接続用の口へ誘導します。

もともとはUSBよりも大きめだったので余るサイズであって口を広げるという加工は不要です。
単にUSB端子をコントローラ接続用の口に設置してあげるだけでよさそう。

今回購入した汎用基板が5cm×7cmという微妙に小さいサイズだったので、両サイドのコントローラ接続用の端子まで載せることができなかったのでした。
どうしたものかと悩んだのですが、結局スイッチ加工時のキャプチャのとおり、スイッチ部分とUSB端子部分を別の基板としてそれぞれ作って、これを接着剤でくっつけるという作戦で行くことにしました。

接着剤で固定しただけだと強度が弱かったのでUSB端子のある基盤にもネジ穴を増設してあります。

2つのUSB端子から4本のケーブル、2つのスイッチから2本のケーブル、合計12本のケーブルになったので基板の下側は結構にぎやかになってしまいました。

ケース上から見下ろして、USBのケーブルは左側へと、そしてスイッチのケーブルは右側へと引き延ばし、ある程度ケーブリングを整えた状態で接着したりねじりっこで固定。

電源コントローラーやFANを設置してみないとケーブルをどう固定してよいかわからなかったので、とりあえずケース加工についてはこのあたりでいったん保留。

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